2016年7月13日
韓国
韓国で投獄されているエホバの証人が申し立てをさらに提出する
2016年1月以降,50人を超える韓国の良心的兵役拒否者たちが国連の「恣意的拘禁に関する作業部会」に申し立てを提出しています。その内容とは,宗教と良心に関する自由を正当に行使した人たちを投獄することにより,韓国政府は恣意的拘禁の責任を問われる,というものです。
申し立ての根拠
国内外の注目を集める
恣意的拘禁に関する作業部会は韓国政府に申し立てを送り,それに対する応答を受けたなら,所見を出すことになります。同作業部会は,韓国には恣意的拘禁の責任があるという申し立てを認める場合,韓国政府に対し,良心的兵役拒否者を犯罪者として扱うことを避け,現状を是正するのに必要な措置を講ずるよう求めるでしょう。
兵役法の合憲性については,韓国の憲法裁判所が現在検討しており,間もなく判断が下される見込みです。同裁判所は,600件を超える申し立てが恣意的拘禁に関する作業部会に提出されていることを認識しています。また,韓国政府が良心的兵役拒否の権利を認め,代替の市民的奉仕活動の制度を設けるよう,国連の規約人権委員会から繰り返し促されていることも認識しています。国際社会は,韓国の大法院が良心的兵役拒否という基本権を認めるかどうか,大いに注目しています。
a 人権理事会,恣意的拘禁に関する作業部会で採択された意見:Opinion No. 16/2008 (Turkey), UN Doc. A/HRC/10/21/Add.1, p. 145, par. 38 (May 9, 2008). 規約人権委員会,見解,Young-kwan Kim et al. v. Republic of Korea, Communication No. 2179/2012, UN Doc. CCPR/C/112/D/2179/2012, par. 7.5 (October 15, 2014)
b 2015年には631人の良心的兵役拒否者が申し立てを提出し,2016年にはさらに51人が申し立てを行なっています。