慣用句
幾つかの単語や要素が組み合わさって特別な意味を持つようになった表現。
聖書のヘブライ語,アラム語,ギリシャ語には,他の言語と同じく,多くの慣用表現がある。読者は聖書で使われている慣用句を理解しなければ,内容を正確につかめない。翻訳者は慣用句を理解しなければ,それを正確に訳せない。聖書を読む人の言語,文化,背景によって,直訳でもすぐ理解できる慣用句がある。(マタ 5:2; 10:27の注釈を参照。)聖書の原語を知らない人が十分に理解するには説明が必要な慣用句もある。(創 6:2の脚注とマタ 26:23の注釈を参照。)慣用句によっては,直訳を脚注や注釈に入れ,意味が分かる訳を本文に載せる必要がある。マタ 9:15,ルカ 10:6; 12:35の注釈を参照。
聖書にある慣用表現の例を挙げる。「真の神と共に歩む」は,「真の神に喜ばれる生き方をする」という意味。(創 6:9)「父祖たちと共に横たわる」という表現は,「死ぬ」という意味のヘブライ語の慣用句。(王一 2:10,脚注)「腹に持つ」というギリシャ語表現は,「妊娠する」という意味。(マタ 1:18,23)使徒 20章7節の「パンを割る」という表現は,「食事をする」という意味。パンは聖書の地で主要な食物だったから。ギリシャ語聖書の例については,「ギリシャ語聖書 王国行間逐語訳」(英語)を参照。