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自分にとって将来はどんなものになるのだろう

自分にとって将来はどんなものになるのだろう

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自分にとって将来はどんなものになるのだろう

「僕は核の脅威にさらされた世界の将来を思うと不安です」。ドイツのある若者は自国の政府首脳に対する話の中でそのように言いました。

あなたも将来のことを考えるたびに,核爆発による火の玉の中で滅びうせるという恐ろしい光景が頭に浮かぶかもしれません。ある若者は,「どうして良い成績を取らなければならないのですか。世界はどうせ吹き飛ばされるんです」と言いました。事実,学童を対象にしたある調査の中で,男子は,一番恐ろしいものとして「核戦争」を挙げました。女子の場合,核戦争は第二位で,それよりも恐ろしいのは「両親が死ぬこと」だけでした。

しかし地平線上に垂れこめている暗雲は,核によるきのこ雲だけではありません。「人口過剰,資源の枯渇,環境汚染」の脅威などのさし迫った災害があるため,著名な心理学者B・F・スキナーは結論として,「我々人類はいま脅威にさらされているように見える」と述べました。そして後ほど,「私は非常に悲観的である。実際のところ我々は自分の問題を解決する方向に進んではいない」と語りました。

有識者でさえ将来を展望しておののいているのですから,「ただ食べたり飲んだりしよう。明日は死ぬのだから」といった態度を示す若者が多いのも不思議ではありません。(コリント第一 15:32)実際,自分の将来が政治家や科学者の手腕に依存しているとすれば,それは確かに無気味なものに思えるでしょう。というのも,エレミヤ 10章23節には,「地の人の道はその人に属していないことをわたしはよく知っています。自分の歩みを導くことさえ,歩んでいるその人に属しているのではありません」とあるからです。

人は自らを治める能力に欠けているというだけのことではありません。注目すべき点は,そうする能力は人に「属して」いない,つまり地球の将来を左右する権利は人間にないということです。したがって人間の努力は失敗するのが必定です。そのためエレミヤは神の介入を願い求めて,「わたしを正してください。ただし,裁きをもってそうしてください」と祈りました。(エレミヤ 10:24)これはわたしたちの創造者がわたしたちの将来を決めるという意味です。しかしそれはどのような将来でしょうか。

地に対する神の目的とあなたの将来

神は人を創造してから間もなく,最初の人間夫婦に次のように言われました。「子を生んで多くなり,地に満ちて,それを従わせよ。そして,海の魚と天の飛ぶ生き物と地の上を動くあらゆる生き物を服従させよ」。(創世記 1:28)このように人は,地球全体にわたる楽園<パラダイス>で生きる見込みを与えられました。

ところが,最初の夫婦は神の支配権に背きました。後になってソロモンが,「まことの神は人間を廉直な者として造られたが,彼ら自身が多くの計画を探り出したのである」と述べているとおりです。(伝道の書 7:29)人間の計画は悲惨な結果に終わり,苦難という遺産と,極めて暗い前途を現在の世代に残しました。

これは,神が地をお見捨てになり,地球は汚染されて放射能を帯びた ― そして恐らく生命の住まない ― 場所になるという意味ですか。それはあり得ないことです! 神は「地を形造られた方,それを造られた方,それを堅く立て,それをいたずらに創造せず,人が住むために形造られた方」なのです。したがって,地に関して語られた神の目的は必ず成就します。―イザヤ 45:18; 55:10,11

しかしいつ,どのように成就するのでしょうか。ルカ 21章をお読みください。その章の中でイエスは,今世紀に人類を悩ましてきた諸問題 ― 国家間の戦争,地震,病気,食糧不足,広範囲にわたる犯罪など ― を見事に予告しておられます。これらの出来事は何を意味しますか。イエスご自身,こう説明されました。「これらの事が起こり始めたら,あなた方は身をまっすぐに起こし,頭を上げなさい。あなた方の救出が近づいているからです。……これらの事が起きているのを見たなら,神の王国の近いことを知りなさい」。―ルカ 21:10,11,28,31

あなたの将来にとってかぎとなるのはこの王国です。簡単に言えば,これは神が地を治める手段となる政府のことです。その王国政府は地に対する支配権を人間の手から強制的に奪い取ります。(ダニエル 2:44)「地を破滅させている者たち」自身は神がもたらす破滅を被り,地 ― そして人類 ― は人間の甚だしい乱用行為から救われます。―啓示 11:18。伝道の書 1:4

神の王国の管理下で安全になった地は,徐々に世界的な楽園へと変わります。(ルカ 23:43)例えば,生態系のバランスは完全に回復されます。人と動物さえ仲よくなるのです。(イザヤ 11:6-9戦争と武器はなくなります。(詩編 46:8,9)犯罪,飢え,住宅不足,病気,それに死そのものも,すべて取り除かれるのです。地上の住民は『豊かな平和にまさに無上の喜びを見いだすでしょう』。―詩編 37:10,11; 72:16。イザヤ 65:21,22。啓示 21:3,4

神の約束を『吟味する』

楽園<パラダイス>における永遠の命 ― その見込みがあなたの将来にあるのです! しかし,そのような考えは魅力的に聞こえても,あなたは,善人は皆天に行くという教えを捨てがたく感じているかもしれず,聖書そのものに疑問を抱いているかもしれません。エホバの証人の若者の中にも,時々自分の信仰が驚くほど不安定になることに気づいた人がいます。例えば,エホバの証人の両親に育てられたミシェルは,聖書が真理であることを,夜の次には昼が来るということと同じように認めていました。ところがある日,聖書を信じている理由が自分には分かっていないことに気づきました。「それまでは,父と母が信じていたので私も信じていたのだと思います」と,彼女は言いました。

「信仰がなければ,神を十分に喜ばせることはできません」と聖書は述べています。(ヘブライ 11:6)けれども,信仰は母親や父親が持っているから自分にもあるというようなものではありません。自分の将来を確かなものにしたければ,確固とした証拠に基づく信仰,つまり「望んでいる事柄に対する保証された期待」を培わなければなりません。(ヘブライ 11:1)聖書にあるとおり,『すべてのことを確かめる』必要があるのです。新共同訳ではこの部分が,「すべてを吟味して,良いものを大事にしなさい」と表現されています。―テサロニケ第一 5:21

聖書が真理であることを自分で確かめる

まず,聖書が本当に「神の霊感を受けたもの」であるかどうかを調べる必要があるかもしれません。(テモテ第二 3:16)どのように調べることができますか。『終わりのことを初めから[間違いなく]告げる』ことがおできになるのは全能の神だけです。(イザヤ 43:9; 46:10)そして神は聖書の中で何度もそのことを行なっておられます。エルサレムの陥落についてルカ 19章41節から44節,21章20節と21節に記されている預言を読んでください。バビロンの倒壊については,イザヤ 44章27節と28節および45章1節から4節の預言があります。一般の歴史は,聖書がこれらの出来事を実に的確に予告していたことを証明しています。「聖書の預言を幾つか調べてみましたが,あれだけの事柄を予告できたということに,ただ驚くばかりでした」と14歳のジャニンは言いました。

さらに,聖書の史実性,正直さ,率直さ,矛盾のないことも,聖書に信仰を置く理由となります。 * しかし,聖書に対するエホバの証人の理解の仕方が正しいかどうかはどうすれば分かりますか。古代のベレアの住民は,聖書に関する使徒パウロの説明を盲目的に受け入れることはしませんでした。むしろ,「それがそのとおりかどうかと日ごとに聖書を注意深く調べた」のです。―使徒 17:11

わたしたちは,あなたにも聖書の教えを詳しく調べてみることをお勧めします。「聖書は実際に何を教えていますか」という出版物(エホバの証人発行)には,これらの教えが分かりやすく説明されています。ご両親がエホバの証人であれば,あなたの疑問がどんなものであっても援助できるに違いありません。ジャネルという若い女性は,「この点に関係した問題が何かあれば,両親に正直に話すことです。信じにくいことがあれば質問してください」と勧めます。(箴言 15:22)やがてあなたは,エホバが確かにご自分の証人たちに聖書の真理のすばらしい理解を与えてくださっていることを認めるようになるに違いありません。

プレンティスという若者は,「世の中の状態を考えると気の滅入ることが時々あります。私は啓示 21章4節などの聖句を読みます。すると,希望がわいてきます」と言いました。そうです,神の約束に堅い信仰を持つことは,あなたの見方に確かに影響を与えます。将来の展望には喜ばしい期待が伴い,暗いところはありません。現在の生活は,目的のない苦闘ではなく,『自分のため,将来に対するりっぱな土台を安全に蓄え,こうして真の命をしっかりとらえるため』の手段となります。―テモテ第一 6:19

しかし,「真の命」を得ることには,聖書の教えを学んでそれを信じるようになる以上のことが関係しているのでしょうか。

[脚注]

^ 20節 聖書の信ぴょう性についてさらに詳しく知りたい方は,「聖書から論じる」という出版物(エホバの証人発行)の262ページから272ページを参照してください。

討論のための質問

□ 多くの若者は,自分の将来についてどんな恐れを抱いていますか

□ 地に対する神の当初の目的は何でしたか。神の目的が変わっていないことを確信できるのはなぜですか

□ 王国は,地に対する神の目的の成就にどんな役割を果たしますか

□ 聖書の教えの真実性を調べる必要があるのはなぜですか。どのように調べることができますか

□ どうすれば,聖書が神の霊感を受けたものであることを自分で確かめられますか

[306ページの拡大文]

「私は非常に悲観的である。実際のところ我々は自分の問題を解決する方向に進んではいない」― B・F・スキナー,心理学者

[307ページの図版]

地球の創造者は,人間がこの惑星を破滅させることをお許しにならない

[309ページの図版]

あなたは聖書の真実性を確信していますか