若い皆さん,充実した生き方をしてください
「あなたは命の道筋をわたしに知らせてくださいます」。詩編 16:11
1,2. 人はどのように変化することがありますか。例を挙げて説明してください。
トニーは高校を中退しようとしていました。父親がおらず,勉強にも関心がなく,週末は映画を見たり友達と遊んだりしていました。乱暴だったわけでも麻薬を使っていたわけでもありません。ただ生きる目的がなかったのです。神の存在も疑っていました。そんな時,エホバの証人の夫婦に出会い,疑問をぶつけてみました。すると2人は,「生命の起源 ― 5つの大切な質問」と「生命 ― どこから?」という冊子をくれました。
2 夫婦が再び訪問した時,トニーの見方は大きく変わっていました。2冊の冊子を,ぼろぼろになるまで読んでいました。「神はいると思います」とトニーは言いました。聖書レッスンを始め,人生に対する見方が徐々に変化していきました。学校の成績もみるみる良くなり,トップクラスになりました。校長先生は驚いて,こう言いました。「生活態度も成績もすごく良くなったね。エホバの証人と付き合うようになったからかな」。トニーは「そうです」と答え,聖書からどんなことを学んだかを伝えることができました。高校を無事卒業し,今では正規開拓者また詩 68:5)
奉仕の僕として奉仕しています。素晴らしい天の父エホバを知り,本当に幸せな毎日を送っています。(エホバに従うなら,良い結果になる
3. エホバは若い人たちにどんなことを勧めておられますか。
3 トニーの経験から,エホバが若い人たちを深く気遣っておられることが分かります。満足のいく充実した生き方をしてほしいと願っておられるのです。エホバはこう勧めておられます。「あなたの若い成年の日にあなたの偉大な創造者を覚えよ」。(伝 12:1)今の世の中でそうするのは必ずしも簡単ではありません。でも不可能ではありません。神の助けがあれば,今だけでなく,これからもずっと充実した生き方ができます。では,約束の地を征服したイスラエルと,ゴリアテと戦ったダビデの例を考えましょう。
4,5. イスラエル人がカナンを征服したことや,ダビデがゴリアテを打ち倒したことから,どんな大切な教訓を学べますか。(冒頭の挿絵を参照。)
4 イスラエル人が約束の地に入ろうとしていた時,神は彼らに戦闘の訓練をするよう命じたりはしませんでした。(申 28:1,2)むしろ,ご自分を信頼し,命令に従うよう勧めました。(ヨシュ 1:7‐9)人間の見地からは良いアドバイスには思えなかったでしょう。でもそれは最高のアドバイスでした。エホバは,イスラエル人がカナン人を征服できるよう何度も助けたからです。(ヨシュ 24:11‐13)確かに,神に従うには信仰が必要です。しかし,信仰があれば必ず良い結果になります。今日でもそうです。
5 強力な戦士ゴリアテは身長が約3㍍もあり,しっかり武装していました。(サム一 17:4‐7)他方,ダビデには2つのものしかありませんでした。石投げ器とエホバ神への信仰です。信仰のない人々は,ダビデが愚かだと思ったでしょう。しかし,それは大間違いでした。愚かなのはゴリアテだったのです。(サム一 17:48‐51)
6. この記事ではどんな点を考えますか。
6 前の記事では,幸せで充実した生き方をするのに役立つ4つの事柄を取り上げました。神の導きを受け入れること,神を愛する人を友とすること,価値ある目標を持つこと,神の民としての自由を大切にすることです。この記事では,詩編 16編に基づいて,この4つの点をさらに深く考えます。
神の導きを受け入れる
7. (イ)エホバを愛する人にはどんな特徴がありますか。(ロ)ダビデの「受け分」には何が含まれていましたか。それはダビデにどんな影響を与えましたか。
7 神を愛する人は神を信頼し,神の見方に倣います。神の導きを求め,神に従う決意をしています。(コリ一 2:12,13)ダビデは良い手本です。こう述べています。「エホバはわたしに配分された受け分,わたしの杯の分です」。(詩 16:5)ダビデの「受け分」には,エホバとの親しい関係が含まれていました。ダビデはエホバのもとに避難しました。(詩 16:1)どんな気持ちになったでしょうか。「わたしの栄光は喜びに傾く」,つまり内面から喜びがわき上がると述べました。神との親しい関係から最も大きな喜びを得たのです。(詩編 16:9,11を読む。)
8. どうすれば本当の意味で充実した生き方ができますか。
8 お金や楽しみを第一にした生き方をしている人は,ダビデのような喜びを味わえません。(テモ一 6:9,10)カナダのある兄弟はこう述べています。「本当の満足感は,何を得るかではなく,あらゆる良い賜物を与えてくださるエホバ神に何をささげるかにかかっています」。(ヤコ 1:17)エホバへの信仰を育て,エホバに奉仕するなら,有意義で充実した生き方ができます。 どうすれば信仰を育てられますか。エホバと一緒に時間を過ごすことによってです。つまり,聖書を読み,エホバの創造物を観察し,あなたに対する愛などエホバのご性格について考えるのです。(ロマ 1:20; 5:8)
9. どうすれば,聖書によって自分を形作ることができますか。
9 神は父親のように優しく矯正することによって,愛を示してくださることがあります。ダビデはそのような矯正を進んで受け入れました。こう述べています。「わたしは,わたしに忠告を与えてくださったエホバをほめたたえます。実に,夜ごとにわたしの腎[または,奥底の考え]はわたしを正しました」。(詩 16:7)神の考えを熟考し,それを自分のものにし,それによって形作られるようにしたのです。あなたもエホバを信頼してそうするなら,エホバへの愛が深まり,エホバに従いたいという願いが強まります。クリスチャンとして成長することもできます。クリスタンという姉妹はこう述べています。「聖書を調べ,読んだ事柄を熟考すると,これはエホバがわたしのために書いてくださったんだ,という気持ちになります」。
10. イザヤ 26章3節にあるとおり,神の見方に倣うなら,どんな良い結果が得られますか。
10 神の見方に倣うなら,豊かな知識と鋭い洞察力を身に着けられます。世界とその将来を神がご覧になるような仕方で見ることができるのです。エホバがそのような知識や洞察力を与えてくださるのはなぜでしょうか。あなたが生活の中で正しい優先順位を定め,賢い決定をし,確信を持って将来を待ち望むことを願っておられるからです。(イザヤ 26:3を読む。)米国のジョシュアという兄弟はこう言います。「いつもエホバのそばにいると,何が重要で何が重要ではないかを正しく判断できます」。本当にそのとおりです。エホバの見方に倣うなら,大きな満足感を得られます。
本当の友を作る
11. ダビデはどんな人を友にしましたか。
11 詩編 16:3を読む。ダビデは,本当の友を見つける方法を知っていました。エホバを愛する人と共にいることで大きな「喜び」を味わいました。そのような人を「聖なる者たち」とも呼んでいます。道徳的に清く,正しい人たちだったからです。別の詩編作者も,友を選ぶことについてこう述べています。「わたしは,あなたを真に恐れるすべての者たちの,また,あなたの命令を守る者たちの仲間なのです」。(詩 119:63)前の記事で学んだように,あなたも,エホバを恐れエホバに従う人たちの中に,良い友をたくさん見つけることができます。様々な年齢層の人と友達になれます。
12. ダビデとヨナタンの友情の基盤になったのは何でしたか。
12 ダビデは同年代ではない人も友にしました。ダビデの親友になった「威光ある[または,立派な]」人はだれでしたか。ヨナタンです。2人の友情は,聖書に記されている友情の中でもとりわけ美しいものでした。ヨナタンはダビデより30歳ほど年上でした。そんな2人の友情の基盤になったのは何でしたか。神への信仰です。また,2人は互いに深い敬意を抱いていました。ダビデはヨナタンが,ヨナタンはダビデが神の敵と勇敢に戦うのを目撃したからです。(サム一 13:3; 14:13; 17:48‐50; 18:1)
13. どんな人を友達にできますか。
13 わたしたちもダビデとヨナタンのように,エホバを愛しエホバへの信仰を示す人を友にするなら,大きな「喜び」を得ることができます。神に長年奉仕してきたキーラはこう述べています。「様々な国籍や生い立ちや文化の兄弟
姉妹と友達になりました」。あなたもそうするなら,聖書と聖霊が人々を一致させることを実感できるでしょう。価値ある目標に向かって努力する
14. (イ)どうすれば,価値ある目標を定めることができますか。(ロ)ある若い人たちは,目標を定めることについてどんなことを述べていますか。
14 詩編 16:8を読む。ダビデは神に仕えることを第一にした生き方をしました。あなたもエホバへの奉仕を第一にし,エホバに喜ばれる目標を定めるなら,本当の意味で充実した生き方ができます。スティーブンという兄弟はこう言います。「目標に向かって頑張り,目標を達成し,進歩できた点を振り返る時,大きな満足感を味わえます」。外国で奉仕しているドイツ出身の若い兄弟はこう述べています。「年を取って自分の人生を振り返る時に,『自分のしたいことばかりしていたな』と後悔したくありません」。あなたもそう思いますか。では,エホバを賛美し他の人を助けるために,自分の能力を用いてください。(ガラ 6:10)エホバにいっそう奉仕するために目標を定め,それを達成できるよう助けを祈り求めてください。エホバは喜んで答えてくださるでしょう。(ヨハ一 3:22; 5:14,15)
15. どんな目標を持てますか。(「 どんな目標を持てるか」の囲みを参照。)
15 どんな目標を持てますか。集会で自分の言葉で注解すること,開拓奉仕やベテル奉仕を行なうことなどを目標にできるかもしれません。外国語で奉仕するために,その言語を勉強することもできます。バラクという若い全時間奉仕者はこう述べています。「毎朝目覚めた時,エホバに精一杯奉仕していることを実感できて,最高です」。
神から与えられた自由を大切にする
16. ダビデはエホバの律法と原則についてどう感じていましたか。なぜですか。
16 前の記事で学んだように,神の律法と原則に従って生活するなら,本当の自由を得られます。そのためには,善を愛し,悪を憎むことが必要です。(アモ 5:15)ダビデはエホバの善良さが豊かであることを認めていました。(詩 31:19)善良とは,道徳的に優れているということです。ダビデは神に倣い,善良さを身に着ける よう努力しました。神から見て悪い事柄を憎むようにもしました。それには,偶像礼拝が含まれます。偶像礼拝は人間の品位を損ない,エホバのものである栄光を奪う行為です。(イザ 2:8,9。啓 4:11)
17,18. (イ)ダビデは偽りの崇拝がどんな結果につながると述べましたか。(ロ)今日,人々が多くの「苦痛」を味わっているのはなぜですか。
17 聖書時代,偽りの崇拝には性的不道徳が伴っていました。(ホセ 4:13,14)そのような崇拝は多くの人の欲望に訴えるものでしたが,本当の幸せにはつながりませんでした。それどころか,偽りの神々を崇拝する人々の「苦痛が多くな[る]」とダビデは述べています。(詩 16:4)彼らは子どもを犠牲としてささげることさえしました。(イザ 57:5)エホバはそのような残忍な行ないを憎まれました。(エレ 7:31)あなたがその時代に生活していたとしたら,親がエホバに信仰を持ち,従っていることを感謝したに違いありません。
18 今日でも,偽りの宗教は大抵,同性愛を含む性的不道徳を容認しています。その結果,人々は自由になるどころか,多くの「苦痛」を味わっています。聖書時代と全く同じです。(コリ一 6:18,19)あなたもそのことに気づいているでしょう。ですから,若い皆さん,天の父エホバに従ってください。そうすることは,あなたのためになるのです。悪いことを行なうなら,その時は楽しいかもしれませんが,結果的には大きな害を受けるだけです。(ガラ 6:8)先ほどのジョシュアはこう言います。「自由をどう使うかは自分次第ですが,間違った使い方をするなら,満足感は得られません」。
19,20. エホバに信仰を持って従う若い人は,どんな祝福を得ますか。
19 イエスは弟子たちにこう述べました。「わたしの言葉のうちにとどまっているなら,あなた方はほんとうにわたしの弟子であり,また,真理を知り,真理はあなた方を自由にするでしょう」。(ヨハ 8:31,32)この自由には,偽りの宗教や無知や迷信からの自由が含まれます。それだけではありません。最終的には「神の子供の栄光ある自由」も与えられます。(ロマ 8:21)今でもその自由を幾らか味わうことができます。「[キリスト]の言葉」つまり教えのうちに「とどま……る」ことによってです。単に真理を学ぶだけでなく,真理に従って生きるなら,「真理を知[る]」ことができるのです。
20 若い皆さん,神から与えられた自由を大切にしてください。それを賢く使うことによって,将来のためにしっかりした土台を築きましょう。ある若い兄弟はこう言いました。「若い時に自由を賢く使うことは,後にもっと重要な決定をしなければならない時,とても役立ちます。仕事を探す時にも,結婚するか,しばらく独身でいるかを決める時にも役立つのです」。
21. どうすれば,「真の命」につながる道を歩み続けることができますか。
21 この古い体制では,いわゆる良い生活も不確かで短いものです。明日,どうなるかさえ分かりません。(ヤコ 4:13,14)賢明なのは,「真の命」つまり永遠の命につながる道を歩み続けることです。(テモ一 6:19)もちろん,その道を歩むよう神から強制されることはありません。それを決めるのはわたしたち自身です。ですから,エホバをあなたの「受け分」としてください。エホバが与えてくださった多くの「良いもの」を大切にしてください。(詩 103:5)エホバが「満ち足りた歓び」を与え,「永久に」幸せにしてくださることを確信してください。(詩 16:11)