1. ダビデ王おうのように，私わたしたちも何なんと言いいたくなるかもしれませんか。

私わたしたちは誰だれもが，不ふ安あんや心しん配ぱいのない平へい和わな毎まい日にちを送おくりたいと思おもっています。でも時ときには，大おおきな不ふ安あんを感かんじることがあるでしょう。エホバに仕つかえている人ひとであっても，ダビデ王おうのように，エホバにこう言いいたくなるかもしれません。「いつまで私わたしは思おもい悩なやみ，毎まい日にち悲かなしみに暮くれなければならないのですか」。（詩し 13:2）

2. この記き事じではどんなことを考かんがえますか。

² とはいえ，不ふ安あんや心しん配ぱいを感かんじることがあるとしても，そうした気き持もちをコントロールすることはできます。この記き事じではまず，不ふ安あんを感かんじる原げん因いんを幾いくつか考かんがえます。そして，問もん題だいに直ちょく面めんした時ときにどうすれば平へい静せいを保たもてるか，具ぐ体たい的てきな方ほう法ほうを6つ考かんがえます。

3. どんなことが心しん配ぱいになるかもしれませんか。それは自じ分ぶんで解かい決けつできる問もん題だいですか。

³ 私わたしたちは，自じ分ぶんではどうすることもできない問もん題だいのせいで，不ふ安あんを感かんじることがあります。例たとえば，食たべ物ものや服ふくの値ね段だんが毎まい年としのように上あがっていくのを抑おさえることはできません。どれほど気きを付つけていても，同どう僚りょうや学がっ校こうの友とも達だちから不ふ正しょう直じきなことや不ふ道どう徳とくなことをするように誘さそわれるかもしれません。自じ分ぶんが住すんでいる地ち域いきで犯はん罪ざいが発はっ生せいしないようにすることもできません。こうした問もん題だいが起おきる のは，この世せ界かいのほとんどの人ひとたちが聖せい書しょの教おしえと合あわない考かんがえ方かたをしているからです。「今いまの体たい制せいでの心しん配ぱい事ごと」は，エホバに仕つかえる妨さまたげとなります。この世せ界かいを支し配はいしているサタンは，そのことをよく知しっています。（マタ 13:22。ヨハ一いち 5:19）だからこそ，この世せ界かいには不ふ安あんや心しん配ぱいがあふれているのです。

4. 問もん題だいについて心しん配ぱいし過すぎると，どうなるかもしれませんか。

⁴ 問もん題だいについて心しん配ぱいし過すぎると，ほかのことは何なにも考かんがえられなくなってしまう可か能のう性せいがあります。こんなふうに心しん配ぱいするかもしれません。「生せい活かつに必ひつ要ようなものを買かうだけのお金かねを稼かせげるだろうか。病びょう気きになって，仕し事ごとができなくなったり失しつ業ぎょうしたりしないだろうか。誘ゆう惑わくに負まけて，神かみのおきてを破やぶってしまうことはないだろうか。この先さき，サタンが人ひと々びとを使つかって私わたしたちを攻こう撃げきしてくる時とき，どうしたらよいのだろう」。こうしたことを心しん配ぱいするのは間ま違ちがったことでしょうか。

5. イエスはどういう意い味みで，「心しん配ぱいするのをやめなさい」と言いいましたか。

⁵ イエスは弟で子したちに，「心しん配ぱいするのをやめなさい」と言いいました。（マタ 6:25）これは，私わたしたちが一いっ切さい心しん配ぱいしてはいけないという意い味みでしょうか。そうではありません。エホバに忠ちゅう実じつに仕つかえた人ひとたちも，不ふ安あんな気き持もちと闘たたかうことがありましたが，エホバに引ひき続つづき愛あいされました。 * （王おう一いち 19:4。詩し 6:3）イエスは私わたしたちに，生せい活かつしていくのに必ひつ要ようなもののことを心しん配ぱいし過すぎて，神かみに仕つかえることを二にの次つぎにしてはいけない，と言いっていたのです。では，不ふ安あんな気き持もちをコントロールするにはどうしたらよいでしょうか。（「 そのためにできること」の囲かこみを参さん照しょう。）

6. フィリピ 4章しょう6，7節せつによると，どうすれば心こころが穏おだやかになりますか。

⁶ （1）いつでも祈いのる。不ふ安あんを感かんじる時ときは，熱ねつ烈れつに祈いのってエホバに頼たよるなら，心こころが穏おだやかになります。（ペテ一いち 5:7）その祈いのりの答こたえとして，「神かみからの平へい和わ」が与あたえられます。「その平へい和わは人にん間げんの理り解かいをはるかに超こえています」。（フィリピ 4:6，7を読よむ。）エホバは，聖せいなる力ちからによって穏おだやかな気き持もちにさせてくださるのです。（ガラ 5:22）

7. 神かみに祈いのる時ときには，どんな点てんを意い識しきするとよいですか。

⁷ エホバに祈いのる時ときには，自じ分ぶんの気き持もちを何なんでも話はなしましょう。具ぐ体たい的てきに祈いのってください。どんな問もん題だいにぶつかっているか，そのことについてどう感かんじているかを伝つたえることができます。「問もん題だいを解かい決けつするために自じ分ぶんにできることがあるなら教おしえてください。そうするための力ちからを与あたえてください」と祈いのりましょう。自じ分ぶんではどうすることもできない場ば合あいには，「心しん配ぱいし過すぎることがないように助たすけてください」と祈いのれます。具ぐ体たい的てきに祈いのるなら，エホバが答こたえてくださる時とき，そのことがはっきり分わかります。祈いのりに対たいする答こたえがなかなか得えられないように思おもえても，諦あきらめないようにしましょう。エホバは私わたしたちが具ぐ体たい的てきに祈いのることだけでなく，粘ねばり強づよく祈いのることも願ねがっているからです。（ルカ 11:8-10）

8. どんなことも祈いのるとよいですか。

⁸ 心しん配ぱい事ごとを祈いのりでエホバに委ゆだねる時ときには，感かん謝しゃすることも忘わすれないようにしましょう。さまざまな難むずかしい問もん題だいに直ちょく面めんする時ときにも，エホバが私わたしたち のためにしてくださったことを一ひとつ一ひとつ考かんがえるのはよいことです。自じ分ぶんの気き持もちを伝つたえたいと思おもっても，どう言いったらいいか分わからない時ときもあるでしょう。でもエホバは，「助たすけてください」という短みじかい祈いのりであっても，それに答こたえてくださいます。（代だい二に 18:31。ロマ 8:26）

9. どうすれば本ほん当とうの安あん心しん感かんを得えられますか。

⁹ （2）自じ分ぶんの知ち恵えではなく，エホバの知ち恵えに頼たよる。紀き元げん前ぜん8世せい紀きのこと，ユダの人ひと々びとはアッシリア人じんからの攻こう撃げきを恐おそれていました。アッシリア人じんに征せい服ふくされないよう必ひっ死しになり，エホバに仕つかえてはいないエジプト人じんに頼たよりました。（イザ 30:1，2）エホバは，そんなことをしていたら大たい変へんなことになる，と警けい告こくしました。（イザ 30:7，12，13）そして，イザヤを通とおして，本ほん当とうの安あん心しん感かんを得えるにはどうすればよいかを伝つたえました。こう書かかれています。「平へい静せいを保たもち，[エホバを]信しん頼らいするなら，力ちからを得える」。（イザ 30:15後こう半はん）

10. どういう時ときに，エホバを信しん頼らいしていることを示しめせますか。

¹⁰ どういう時ときに，エホバを信しん頼らいしていることを示しめせるでしょうか。幾いくつか例れいを考かんがえてみましょう。今いまよりも給きゅう料りょうの高たかい仕し事ごとをしてみないか，と誘さそわれたとします。でも，その仕し事ごとを受うけ入いれると，これまでのようには集しゅう会かいや奉ほう仕しなどに参さん加かできなくなるかもしれません。職しょく場ばの異い性せいが親したしくなろうとして近ちかづいてきます。でも，その人ひとはエホバの証しょう人にんではありません。家か族ぞくが反はん対たいして，「自じ分ぶんとエホバのどちらかを選えらぶように」と言いうかもしれません。どの場ば合あいも難むずかしい決けっ定ていを迫せまられますが，エホバはそれぞれに必ひつ要ような導みちびきを与あたえてくださいます。（マタ 6:33; 10:37。コリ一いち 7:39）あとは，私わたしたちがエホバを信しん頼らいして，その導みちびきに従したがうかどうかです。

11. 反はん対たいに直ちょく面めんしても平へい静せいを保たもつために，聖せい書しょのどんな例れいを学まなぶとよいですか。

¹¹ （3）良よい例れいや悪わるい例れいから学まなぶ。聖せい書しょには，平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいすることの大たい切せつさを示しめす例れいがたくさんあります。それらについて学まなぶ時とき，神かみに仕つかえる人ひとたちが厳きびしい反はん対たいに直ちょく面めんしても平へい静せいを保たもてたのはなぜか，考かんがえてください。例たとえば，使し徒とたちはユダヤ人じんの最さい高こう法ほう廷ていで伝でん道どうをやめるよう命めいじられた時とき，恐おそれることなく大だい胆たんにこう言いいました。「私わたしたちは，人ひとではなく神かみに従したがわなければなりません」。（使し徒と 5:29）打うちたたかれても冷れい静せいさを失うしないませんでした。エホバが共ともにいて，自じ分ぶんたちのことを喜よろこんでいる，と分わかっていたからです。だからこそ，使し徒とたちは良よい知しらせを伝つたえ続つづけることができたのです。（使し徒と 5:40-42）またステファノも，死しを覚かく悟ごしながらも落おち着ついていました。その顔かおが「天てん使しの顔かおのように」見みえるほどでした。（使し徒と 6:12-15）エホバに愛あいされていることを確かく信しんしていたからです。

12. ペテロ第だい一いち 3章しょう14節せつと4章しょう14節せつからすると，迫はく害がいされても幸しあわせでいられるのはなぜですか。

¹² 使し徒とたちは，エホバが共ともにいるということがはっきり分わかっていました。エホバから奇き跡せきを行おこなう力ちからを与あたえられていたからです。（使し徒と 5:12-16; 6:8）現げん代だいの私わたしたちには，そのような力ちからは与あたえられていません。とはいえ，私わたしたちが正ただしいことのために苦くるしむ時とき，エホバは私わたしたちのことを喜よろこび，聖せいなる力ちからを与あたえてくださいます。そのことを聖せい書しょの中なかで約やく束そくしてくださっています。（ペテロ第だい一いち3:14; 4:14を読よむ。）ですから，将しょう来らい厳きびしい迫はく害がいを受うけた時ときにどうしたらよいかとあれこれ考かんがえないようにしましょう。いま行おこなうべきなのは，エホバが私わたしたちを支ささえて救すくって くださるという確かく信しんを強つよめることです。初しょ期きのクリスチャンと同おなじように，私わたしたちもイエスの次つぎの約やく束そくに確かく信しんを持もつ必ひつ要ようがあります。「私わたしがあなたたちに言こと葉ばと知ち恵えを与あたえるからです。反はん対たい者しゃは皆みな一いっ緒しょになってもそれに抵てい抗こうも反はん論ろんもできません」。そして，このような保ほ証しょうの言こと葉ばもあります。「あなたたちは忍にん耐たいによって命いのちを受うけます」。（ルカ 21:12-19）また，エホバはご自じ分ぶんに仕つかえる人ひとが忠ちゅう実じつを保たもって死しぬとしても，その人ひとのことを細こまかな点てんまで全すべて覚おぼえていて，復ふっ活かつさせてくださいます。そのことを決けっして忘わすれないようにしましょう。

13. 平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいする点てんで失しっ敗ぱいした人ひとたちの例れいについて調しらべるとよいのは，なぜですか。

¹³ 平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいする点てんで失しっ敗ぱいした人ひとたちの例れいからも学まなぶことができます。そうした悪わるい例れいを調しらべるなら，同おなじ間ま違ちがいをしないで済すみます。例たとえば，ユダのアサ王おうは，エチオピアの大たい軍ぐんに攻せめられた時ときはエホバに頼たよったので，エホバの助たすけで戦たたかいに勝かつことができました。（代だい二に 14:9-12）しかし後のちに，はるかに少すくない人にん数ずうの軍ぐん隊たいでイスラエルのバアシャ王おうが攻せめてきた時ときには，以い前ぜんのようにエホバに頼たよるのではなく，シリアに金きんや銀ぎんを送おくって助たすけてもらおうとしました。（代だい二に 16:1-3）そして生しょう涯がいの終おわり頃ごろ，ひどい病びょう気きになった時ときにも，助たすけを求もとめてエホバに頼たよることはしませんでした。（代だい二に 16:12）

14. アサの失しっ敗ぱいから何なにを学まなべますか。

¹⁴ アサは初はじめのうちは，問もん題だいにぶつかるとエホバに頼たよっていました。しかし後のちに，自じ分ぶんの力ちからで問もん題だいを解かい決けつしようとし，神かみに頼たよらなくなりました。アサがイスラエルに対たい抗こうするためにシリアに助たすけを求もとめたことは，一いっ見けん良よい方ほう法ほうに思おもえたかもしれません。しかし，そうして得えられた平へい和わは長なが続つづきしませんでした。エホバから遣つかわされた預よ言げん者しゃはこう言いいました。「あなたがシリアの王おうに頼たより，エホバ神かみに頼たよらなかったので，シリアの王おうの軍ぐん勢ぜいはあなたの手てから逃のがれてしまいました」。（代だい二に 16:7）私わたしたちにも注ちゅう意いが必ひつ要ようです。自じ分ぶんで解かい決けつできると考かんがえて自じ信しん過か剰じょうになると，聖せい書しょに書かかれているエホバの導みちびきに頼たよらなくなってしまいます。時ときには，緊きん迫ぱくした場ば面めんに直ちょく面めんすることもあるかもしれません。そういう時ときにも，平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいしましょう。そうすれば，正ただしい判はん断だんができるように助たすけてくださいます。

15. 聖せい書しょを読よむ時とき，どんなことを意い識しきできますか。

¹⁵ （4）聖せい書しょの言こと葉ばを覚おぼえる。聖せい書しょの中なかに，平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいすることの大たい切せつさを示しめす言こと葉ばを見みつけたら，その言こと葉ばを覚おぼえましょう。声こえに出だして読よむことや，何なにかに書かいて何なん度ども思おもい返かえせるようにすることも役やく立だつかもしれません。ヨシュアは，律りっ法ぽうの書しょを毎まい日にち小こ声ごえで読よむようにと命めいじられていました。そうすることによって賢かしこく行こう動どうでき，恐おそれることなく勇ゆう気きを持もって神かみの民たみを導みちびくことができました。（ヨシュ 1:8，9）聖せい書しょの中なかには，普ふ通つうなら不ふ安あんや恐おそれを感かんじるような状じょう況きょうでも穏おだやかな気き持もちを保たもつのに役やく立だつ言こと葉ばがたくさん収おさめられています。（詩し 27:1-3。格かく 3:25，26）

16. エホバは会かい衆しゅうの仲なか間まを用もちいて，私わたしたちが平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいできるように助たすけてくれます。どのようにですか。

¹⁶ （5）神かみに仕つかえている人ひとたちとの交こう友ゆうを楽たのしむ。エホバは兄きょう弟だい姉し妹まいを用もちいて，私わたしたちが平へい静せいを保たもち，エホバを信しん頼らいできるように助たすけて くれます。集しゅう会かいでは，演えん壇だんからの話はなしや仲なか間まのコメントから，いろんなことを学まなべます。集しゅう会かい前ぜん後ごの会かい話わから励はげみを得えることもできます。（ヘブ 10:24，25）不ふ安あんな気き持もちになる時ときには，会かい衆しゅうの友ともが話はなしを聞きいて慰なぐさめてくれるでしょう。友ともからの「良よい言こと葉ば」は，不ふ安あんな気き持もちを和やわらげるのにとても役やく立だちます。（格かく 12:25）

17. ヘブライ 6章しょう19節せつによると，難むずかしい問もん題だいにぶつかっても穏おだやかな心こころを保たもつ上うえで，王おう国こくについての希き望ぼうはどのように助たすけとなりますか。

¹⁷ （6）希き望ぼうを強つよく保たもつ。王おう国こくについての希き望ぼうは「命いのちのためのいかり」のようなものです。その希き望ぼうがあれば，私わたしたちは難むずかしい問もん題だいにぶつかったり不ふ安あんを感かんじたりしても，心こころを穏おだやかに保たもつことができます。（ヘブライ 6:19を読よむ。）エホバは，不ふ安あんや心しん配ぱいのない将しょう来らいを約やく束そくしています。そのことをじっくり考かんがえましょう。（イザ 65:17）つらいことが全まったくない，平へい和わな新あたらしい世せ界かいで生せい活かつしている自じ分ぶんの姿すがたを思おもい描えがいてください。（ミカ 4:4）新あたらしい世せ界かいについて人ひと々びとに伝つたえるなら，希き望ぼうは強つよまります。伝でん道どうし，人ひと々びとを弟で子しとするために，自じ分ぶんにできることを何なんでも行おこないましょう。そうすれば，「希き望ぼうに対たいする揺ゆるぎない確かく信しんを最さい後ごまで保たも」つことができます。（ヘブ 6:11）

18. この先さき，どんなことが起おきますか。その時とき，私わたしたちには何なにができますか。

¹⁸ この体たい制せいの終おわりが近ちかづくにつれて，不ふ安あんや心しん配ぱいを感かんじさせるような問もん題だいは増ふえていくでしょう。2021年ねんの年ねん句くは，そうした問もん題だいに立たち向むかい，平へい静せいを保たもつために，自じ分ぶんの力ちからに頼たよるのではなく，エホバを信しん頼らいするよう私わたしたちを動うごかします。2021年ねんの間あいだ，エホバの次つぎの約やく束そくを信しんじていることを行こう動どうによって示しめしていきましょう。「平へい静せいを保たもち，信しん頼らいするなら，力ちからを得える」。（イザ 30:15）