ご存じでしたか
聖書時代の巻き物は,どのように作られ,どのように使われたでしょうか。
ルカの福音書には,イエスがイザヤの巻き物を開いて読み,それを再び巻いた,と述べられています。また,預言者エレミヤは,神からの音信を巻き物に書き記すよう命じられました。―エレミヤ 36:2。ルカ 4:16‐20。
では,巻き物はどのようにして作られたのでしょうか。なめし革,皮紙<パーチメント>,パピルスのいずれかの断片を幾枚も貼り合わせて1枚の細長い“用紙”を作り,文字の書かれた面が内側になるようにして,軸となる棒に巻き付けました。文字は横書きで縦長の欄になるように記されていたので,読む時は軸を縦にして広げながら読んでゆきました。長い巻き物の場合は,両端に軸を取り付け,一方の手で巻き物を広げ,もう一方の手で巻き上げながら,読みたい箇所を探しました。
「巻き物の利点は,1冊の本を丸ごと収められるほど長くでき[大抵,10㍍ほど],巻き上げればコンパクトになることだった」と,「アンカー聖書辞典」(英語)は述べています。一例として,ルカの福音書は全長が9.5㍍ほどあったとされています。巻き物の上下のへりを切って整え,軽石でこすって滑らかにし,着色することもありました。
クリスチャン・ギリシャ語聖書に出てくる「祭司長たち」とは,だれのことでしょうか。
イスラエルに祭司職が導入された時から,大祭司として仕える人は一時期に1人しかいませんでした。当初,その任期は生涯にわたるものでした。(民数記 35:25)最初に大祭司となった人は,アロンです。この職は普通,父親から長男へと受け継がれました。(出エジプト記 29:9)アロンの子孫である男子のうち,祭司として仕えた人は大勢いますが,大祭司となった人はごくわずかです。
イスラエルが外国の支配下に置かれると,イスラエル人ではない支配者たちがユダヤ人の大祭司の任命と解任を意のままに行ないました。とはいえ,新たに任命される人たちは大抵,選ばれた一握りの名家から,ほとんどはアロンの家系から選ばれたようです。「祭司長たち」という表現は,祭司団の主立った人たちを指しているものと思われます。祭司長たちには,24の祭司の組の頭たちや大祭司の家族の主立った成員たち,またアンナスのような,すでに退位していた元大祭司たちが含まれていたかもしれません。―歴代第一 24:1‐19。マタイ 2:4。マルコ 8:31。使徒 4:6。