そろそろベッドの替えどきですか
そろそろベッドの替えどきですか
英国の「目ざめよ!」通信員
夜なかなか眠れず,楽な姿勢になろうと何度も寝返りを打ち,朝になって目が覚めてみると凝りや痛みを感じる,ということがよくありますか。もしそうなら,ベッドに問題があるのかもしれません。
この家具は,あなたの友になることも,敵になることもあります。ベッドを使って暮らしているなら,あなたは人生の3分の1をその上で過ごすことになります。しかしベッドは,いつまでも長持ちするものではありません。いま使っているベッドの調子はいかがでしょうか。
新しいベッドが必要ですか
ベッドは普通,10年間はしっかり持ちこたえます。体重のある人のベッドは,早めに傷むかもしれません。人は年齢とともに,必要や好みが変わってくる,ということも覚えていてください。ベッドを新しくする必要があるかどうかを決めるには,こんな点を考えることができます。『起床時に肩こりや,背や腰の痛みがあるか。ベッドは小さすぎないか。スプリングその他の硬い凹凸を感じるか。体を動かすと,キーキーときしんだりしないか。ダブルベッドの場合,知らぬ間に中央部に転がっていかないか。下側がでこぼこになったり,たわんだりしていないか。脚部やキャスターが壊れかけていないか』。こうした点を見ると,新しいベッドを買う時期かどうか,判断の目安になります。
良いベッドとは?
良いベッドとは,寝心地がよく,体をしっかり支え,自分の必要や好みによく合っているものです。ベッドはたいてい,マットレスとそれを支えるフレームから成っています。しかし,寝心地のよさを決めるのは,主にマットレスです。マットレスは幾つかの部分で構成されています。まずは,ティッキングとも呼ばれるカバーが全体を一つにまとめています。その下に,詰め物のパッドのつまった幾つかの層があり,そこがクッションになり,また体の水分を逃がします。3番目は体を支えるしっかりした部分で,普通,焼き戻した鋼鉄のコイルやスプリングが入っています。内部の支持構造には様々な種類がありますが,一般的に言えば,スプリングが多いほど,そして使用している金属線が太いほど,支えもしっかりします。最近はポリウレタンやラテックスのフォームマットレスもあり,内部にスプリングがあるものより軽量にできています。
とはいえ良いマットレスも,たいていはそのマットレス用に設計された適切な台と共に用いられて初めて効果を発揮します。ソファー型のベッドは,マットレスと台の部分をセットにして売っているのが普通です。下側にある箱形の基台部は,大きな衝撃吸収装置として働き,マットレスに風を入れて,その寿命を長くします。もう一つ選ぶべきものは,台枠です。
たいていは,すのこ状の平面があって,下側は空間になっていて,それに合ったマットレスの風通しをよくしています。すのこ部分が硬いものなら基礎としてしっかりしますが,弾力性のあるものであれば当たりが柔らかくなります。適正なベッドを選ぶ
ベッドを購入する際には,どんな点を覚えておくべきですか。中古のベッドには,他の人の汗や汚れが染みこんでいて,アレルギーやぜん息や湿疹のもとになるチリダニがたくさん付いている可能性もあります。それは,衛生や安全の基準にかなっていないかもしれません。
お店に買いに行く前に,値段,健康面,全体の大きさなど,何を優先するかを決めておくと良いでしょう。時間を十分に取って評判の良い店に行き,それぞれのベッドやマットレスに関して,できるだけ多くの情報を得てください。ベッドはふつう高価なので,衝動買いをしないようにしましょう。
体が疲れていると,正しい判断ができないかもしれません。ゆったりした服を着ていきましょう。ベッドの寝心地を,遠慮せずに試してください。コートと靴を脱ぎ,少しの間,それぞれのベッドに横になってみます。姿勢も,いろいろと試してみてください。肩,背,腰などの落ち着き具合に特に注意してください。―下の囲み記事をご覧ください。
ベッドの手入れ
ベッドは,手入れがよければ寿命が延びます。店員のアドバイスを聞き,メーカーの取り扱い説明をよく読んでください。家に新しいベッドを運び入れたときには,ポリエチレンの包装をできるだけ早く外しましょう。湿気や,かびや,傷みの原因となる,結露を防げます。ほかにも,次の点に気をつけてください。
● スプリング式の新しいマットレスは,最初の数か月間,一,二週間ごとに,上下,左右を逆にします。その後は,3か月ごとにそうしてください。そのようにすると,充填材が落ち着き,傷み方も偏りません。腰痛で悩んでいる方は,フォームマットレスにすることも考慮できます。定期的にひっくり返さなくてよいものがあります。
● マットレスは,決して折り曲げたり,丸めたり,つぶしたりしてはいけません。布地を傷めないために,取っ手は位置を合わせるためだけに使い,マットレス全体の重みを支えるために使うことはやめましょう。
● 毎朝,ベッドカバーを少なくとも20分は外しておいてベッドに風を入れ,体から出た水分を蒸発させてください。
● 洗濯できるカバーなどを使って,マットレスはいつも清潔にしましょう。綿毛やほこりを除くため,マットレスにも基台の部分にも,定期的に掃除機をかけます。汚したり,何かをこぼしたりしたときは,刺激性の少ない石けんと冷水ですぐにふき取ります。
● マットレスの端の同じ箇所にいつも腰掛けることのないようにします。子どもも他のだれも,ベッドの上で跳びはねてはなりません。
あなたのベッドは,単なるお金の投資ではありません。それは,人生の3分の1のために投資することです。しかもそれは,あとの3分の2に少なからぬ影響を及ぼすのです。支えてくれる友を賢く選び,まめにその世話をするなら,その友もあなたの面倒をよく見てくれるでしょう。
[22ページの囲み記事]
どんなベッドがよいか
心地よいか,体をよく支えてくれるか。マットレスは,板のように硬ければ体に良いというものではありません。それどころか,硬すぎるベッドは腰痛や背痛を悪化させることがあると考えられています。体がいちばん心地よく感じるものを選びましょう。あお向けに寝てみます。腰の下のすきまに自分の手を差し入れるとぴったり入るなら,また,すぐに体の向きを変えられるなら,そのマットレスは,あなたにとってほぼ適切な硬さであると言えます。きちんと支えてくれるマットレスとは,横向きの姿勢でも背骨をまっすぐに保てるようなものです。体重のある人には,硬めのベッドが必要です。
大きさ。体を自由に動かせるベッドを選びましょう。二人で使用するタイプであれば,通常のサイズのダブルベッドに二人の大人が寝た場合,各人のスペースは,ベビーベッドの赤ちゃんと同じほどのスペースになることも覚えておきましょう。
組み合わせ。可能であれば,マットレスと,それにぴったり合って心地よく支えてくれる専用の台を購入しましょう。古い台は,新しいマットレスを傷めたり,保証内容に影響することがあります。
値段。値段相応のものが多いので,予算の許す範囲で,最も質の良いものを選びましょう。
スペース。場所がごく限られているなら,マーフィーベッドなど,クローゼットの中に収納できる壁型ベッドも考えてみる価値があります。もう一つ考えられるのは,フトンにすることです。ふわふわした綿を重ねたもので,夜,手早く床に広げることができます。このタイプのものは,すのこ状のコンバーチブル・フレームと一緒にソファーベッドとして売っていることもあります。
健康上の問題。従来型のベッドで寝心地がよくなければ,いろいろな姿勢で寝ることのできる,調整可能なベッドもあります。ウォーターベッドは体重を均等に分散して支えてくれます。圧点による不快感に悩む人によいかもしれません。
アレルギーに苦しむ人。ほこりや,天然材の充填物に対するアレルギーのある人は,合繊や発泡体<フォーム>を使ったマットレスを選ぶとよいかもしれません。すのこ状の台のついた台枠やウォーターベッドにはアレルゲンがたまりにくいことを覚えておくとよいでしょう。
年配の人。ベッドの端に腰掛けたとき,足の裏が床面に着くことを確かめてください。台の端が硬いほうが,腰掛けた姿勢でベッドに入ったり,出たりしやすくなります。
[23ページの囲み記事]
安全のためのヒント
■ 耐火性の寝巻きを着る。
■ 寝具類は火や暖房器具から十分離す。
■ 電気毛布は,布地がすり切れていないか,折り目が強く付いていないか,焦げた跡がないか,電気コードが古くなっていないかなどをときどき調べる。電気毛布が湿っているときは決して使わず,自然乾燥させる。電気毛布のスイッチが入っているときは,ベッドの上に重いものを置かない。
■ 湯たんぽに沸騰しているお湯を入れない。電気毛布と併用しない。子どもがベッドに入る前に取り出す。
[23ページの図]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
カバー,またはティッキング
ディープ・ステッチ・ダイアモンド・キルティング
マイクロキルティング
タフティング
詰め物のパッドの層
内部の支持層
フォーム
コンティニュアススプリング
オープンスプリング
ポケットスプリング
[クレジット]
Reproduced by courtesy of the Sleep Council
[21ページの図版のクレジット]
Reproduced by courtesy of the Sleep Council